車屋寅次郎ものがたり

口蹄疫とマスコミ

2010.05.20

社長ブログ

宮崎で発症し、全国規模の大問題に発展しているこの疫病。
家畜法定伝染病に指定されトップクラスに危険な伝染病で、
見つかった家畜は即屠殺処分。 見つかった農家は全頭処分。 見つかった国は輸出禁止。

幸い日本は輸入国なんで輸出はあまり影響ないんですが、見つかった県は畜産自体が壊滅的被害を受けます。

私が大学で習った『家畜衛生学』でも、まず最初に教えられた特A級の危険な伝染病で、偶数の蹄(ひづめ)を持つ、牛、豚、ヤギなどがかかり、馬はかかりません。

一番マズイのは伝染性が極めて高いこと… そして感染する家畜が、ほとんど密集した屋内で飼育されてること…

ウイルス自体は土中にあり感染することはまれなんですが、いったん感染が始まると恐ろしいスピードで広がるらしいです。つまり一匹の発症が見つかった時点で、全頭感染してるんです。
昔は家畜を飼う農家戸数は多くて、まるで飛び火する様に広がったらしいですが、現在農家数は減り大型化し農家間はかなり離れています。

じゃ病気を広めてる犯人は?…

一番は唾液で汚れた飼料をついばんで歩く『鳥』だと言われてますが、農家間を巡回する獣医、飼料配達トラック、農協関係者などが原因となる場合も十分あります。

でも当然みなプロなんで感染拡大には細心の注意をはらいます。
昔、農協の畜産課時代、豚の伝染性下痢が入った時には、獣医さんの指導の元、パンツ一枚以外全て着替えさせられましたね。 いい加減な消毒とかしていてその頃の上司に、目が飛び出るほど怒られたのを思い出しました。

今回テレビを見ていて一番気になるのは、マスコミはちゃんと防疫対策してるのかな?てこと…

感染農家の映像があり、まだ被害が広がってない近県農家のインタビュー…
まさか同じ人間や車が行ってるとは思いませんが、農家への接触は極力ひかえるのが常識でしょう。
その行為が数万頭の命を奪うことになるかもしれないんですから。

家畜を全て処分して、一匹もいなくなった畜舎は本当寂しいもんです…

朝のテレビにも出てましたが、屠殺命令が出た出産間近い母豚に『最後におなかいっぱい餌を食べさせてやるんだ…』と言っていた農家の言葉にグッときました…

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