車屋寅次郎ものがたり
弱い部分
2009.12.8
社長ブログ今日お昼すぎ、見たこともない携帯番号から着信 電話に出たら、軽快な明るい声の娘Yさんからだった。
Yさんは石川で働いていたのだが、事情で東京に就職することになり、愛車のプラドを売ることを決意して我社に声がかかった。
本人さんはすでに東京。 お父さんが代わりにプラドを持ってきてもらい査定しました。
年式はそこそこ古いんですが、白に全塗装、HDDナビにセキュリティー。 そして禁煙。
外装に多少ぶつけた跡があるものの、あきらかに乗り手の愛情が感じられる大変印象が良い車でした。
こちらも勝負して出した金額はリミットギリギリだったんですが、本人からさらにダメ押しのTELがかかってきました。
『ナビは〇万円したし、セキュリティーも高かった。 友達や男にもタバコは許さなかった。 買った時は〇万円だったんですが…』
あらんかぎりのお金と愛情をかけたプラド もっと高いはず…とばかりの交渉
こちらもプロなんで、ナビやタイヤや凹みやタイミングベルト、相場のことなんかを説明して納得してもらおうと必死です。 普通あまりやらないんですが、このプラドがいくらで市場取引されているかもお父さんにコンピュータ画面を見せてあげています。 こちらもいっぱいいっぱい(>_<)
二人の交渉もあと五万円くらいの差が縮まらず、必殺技『次のオーナーさんに見せて先売り』作戦を決行すべく、車を借りる段取りをしました。
そうしたら彼女から意外な注文が…
『すいません、ひとつだけお願いがあります。
ショップの店員なんで年末年始は帰省できないんです。 もし売れてしまったら、買ったオーナーさんには申し訳ないんですが、一度だけプラドと写真を撮らせて下さい。もちろんそこまで行きます。あと、それだけが心残りなんです。』
『でももし売れたら、確実にプラドは次のオーナーの色に染まります。 けっこうショックなもんです。オススメはしませんよ(-“-;)』
『それでもいいんです…』
なんかその言葉が私の弱い部分にふれて、『金額は最善の努力をしましょう』 と約束してしまった…
まだまだ甘いなーオイラも (^_^;)