車屋寅次郎ものがたり
粗品
2009.05.22
社長ブログ
先日の話、いつも使っている爪切りをふと見てみると、なんと我が社の社名が入ってるじゃあーりませんか!
多分 私が入る何年も前、今より車屋がはるかに儲かった時代のもんでしょうね。
ネーム入れてある爪切りなんて いったいいくらするんでしょうか。
思えば昔、応接間には必ず〇〇信用金庫…とか名前が入っているガラスのデカい灰皿とかありましたよね(笑) 世の中せちがらくなったのか、最近とんとそんな大きな粗品を見なくなりました。 名前入りのタオルでさえ見るのは〇〇新聞くらいです。
我が社でも古株の先輩社員からは『昔は、タイヤ四本売れて組み換えすれば、工員一人の給料が出た!(^_^;)』と言う人もいました。
いい時代でしたねー
今はインターネット全盛時代。 この商品はだいたいいくらしていて どこへ行ったら手に入るか瞬時に分かりますが、はたして私たちの暮らしはそれによって楽になったんでしょうか?
昔は色々なところや販売店を回り掘り出し物を見つけたり、珍しい物やビックリするくらいキレイな物件を見つけたり… 今じゃパソコンを見れば、たいがいの珍しい物でも世界中から簡単に探せます。 中古車なんてその最たるもんかもしれません。
年式
走行距離
色
などある程度のデータを入力すれば、日本全国からお好みのモノを安く買うことができます。
でも本当にそうなんでしょうか? …
我が社も中古車の在庫は常に20〜40台はあり、日本最大の中古車インターネット販売サイト『Goo net』に登録して日本中から問い合わせが来たりします。
だが正直な話、中古車は所詮中古車。 見もしないで四国から車を買っていったお客さんもいました。 百万以上もする商品なのに信じられない… お客さんに「誰か車屋さんとか通して下見されたらいかがですか? 試乗しますょうよ」とか逆に勧める始末(*_*)
何故そんなことを言うかというと、正直我々中古車業界は未だに悪質な業者がたくさんいて、ネット上では価格を安くさえ書けば簡単に売れるのを坂手に取り、事故車、水没車、ヤニ車、異臭車、ペットの毛だらけ車など、画像や履歴では分からない、実際に見なきゃ分からない問題点が山積み… しかも後からクレームになりにくい車を選んで売りに出します。
こんな話があります。 とある大手中古車販売会社F社の担当者の話 そこでは修復歴がある車をそのまま展示 。小さくボードには『修復歴あり』とかいてあるが、よく見ないと分からないらしく、担当者は納車の時初めて「実はコレ、ちょこっと前の部分ぶつけたことがあるんっすよね」と言うらしい。
当然お客さんは怒ると思うのだが、その担当者曰わく、「北陸のお客さんって事故車に厳しいから注意しなきゃね」
と堂々と他の業者の前で言っているらしい。
でもまあこれが我が業界の実体かもしれない…
打たれ強く、クレームを気にもしない営業マンが長く生き残れる とまで言われてるし。
このインターネット社会がもたらしたことは、価格のボーダレス化 中古車販売会社は 大手だろうが中小だろうが、オークションから仕入れています。たとえお客さんからの買い取りでも、最近はかなり競合しますから、オークションとそんな変わらなかったりします。 つまり、我々中小の販売会社も暴利をむさぼっているわけじゃなく、大手の販売会社だから安いわけではなく『安いには訳がある…』のである。 でもお客さんでそれに気がついてる人はいないんじゃないかな。
我が社もインターネットにどっぷりで無ければ生活はできませんが、まだそんなもんがない時代、粗品のデカい灰皿や爪切りが配られていた時代のほうが楽しかったんではないでしょうか…
あ、またジジ臭い日記書いてしもた (^_^;)